その4 ハウス内のレイアウト

前のページで解説してきた通り当サイトでは“成犬時に寝床として必要なスペース+最低限のトイレスペース”を理想的なハウスの大きさ(サイズ感)としておすすめしています。

ただ、これに対して「ハウスの中に遊び場としてのスペースも用意してあげた方が良いのでは…?」といったご質問を時々頂戴します。

私たち人間の感覚であれば確かにそう感じてしまうのですが、犬たちに「ハウスの中に遊び場を…」という心配は無用です。

「留守番している愛犬が退屈しないように…」という親心だと思いますが、留守番中のワンちゃんは大抵何もせずに飼い主さんの帰りをじっと待っているか、ひたすら寝ているかのどちらかです。

ですので、飼い主さんはお家に帰ったらお留守番のご褒美として一緒に遊んであげれば、ワンちゃんは留守番中のことなどすっかり忘れて大満足!

また、「留守番時間が長いので狭いハウスでは運動不足になりそうで心配…」といった声も聞きますが、広めのハウスくらいでは“運動”なんて到底無理です。

遊び方にもよりますが、小型犬であればお部屋の中で飼い主さんが一緒に遊んであげるだけでも運動になります。

それとは逆にもし遊べるスペースがあるくらい広いハウスで過ごさせるとどうなるのでしょうか?

留守番中など飼い主さんが不在で不安な心理状態の下、玄関のチャイムの音、外から聞こえる物音、知らない人の話し声などが気になって落ち着かないワンちゃんは、広いハウスの中を警戒しながら動き回りながら吠え続けることになります。

そんな緊張状態が続く毎日を過ごすことによって物音や人の気配に対して常に警戒するクセが付き、結果的に無駄吠えが多く落ち着きのない性格に育ってしまうのは決して珍しいことではないのです。

また、ハウスの中に寝床となるクレート(キャリーケースなど)が必要とお考えの飼い主さんもよくいらっしゃいますが、当サイトが推奨するサイズ感のハウスを用意されるのであればクレートの類は不要です。(クレートが必要となるケースはこのあと解説します)

そもそもクレートはほぼ寝床オンリー(兼食事スペース)のハウスであり、それに近年の生活スタイルを考慮して最低限のトイレスペースを加えたのが当サイトで推奨する適正なサイズ感のハウス(=ケージ)です。

つまり「ハウス内にクレートを…」という考え方は「ハウス内に遊び場を…」の考え方と同様に人間的な感覚による発想。

従って、ハウス内のレイアウトは『ハウスの半分を寝床スペース&もう半分をトイレスペース』にするのが効率的と言えるのです。

それ以外のスペースは要りません。


子犬の場合、寝床スペースに厚手のタオルやペット用のベッドを置いてあげることによって、そこを寝床として認識してもらい易くなります。

それでもトイレスペースで寝てしまうなど寝床を認識してくれない場合には、トイレスペースと寝床スペースに段差(高低差)を設けて寝床スペースを少しだけ高くしてみましょう。(勢いを付けずに無理なく昇り降りできる程度の高さでOK)

その理由は犬の習性によるもので、野生の犬たちが穴倉(自分の巣)ではない場所で休む時には外敵から身を守るために本能的に周囲を見渡せる場所(=周囲より少し高い位置)を選ぶことがあります。

お部屋の中でワンちゃんをフリーな状態にする習慣がある飼い主さんはご覧になったことがあるかもしれませんが、ワンちゃんがソファーの上やさらにソファーに置いたクッションの上に乗っかって休んでいる光景がよく見られます。

これも外敵から身を守るための本能が働いたことによる行動と言われていますので、こういった習性を活かした工夫を採り入れてみても良いでしょう。

なお、寝床にタオルを敷く場合は、タオルのほつれた糸屑を飲み込んで腸閉塞を引き起こしたという事例も報告されていますので、新品など破れやほつれのない丈夫なものを使用してボロボロになる前に交換してあげるようにしましょう。


「いやいや、小さなハウスの方が良いなんて知らなかったから、もう既に大きなハウスを用意してしまったんだけど…」という飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

せっかく購入したハウスを無駄にするのもモッタイナイので、そういった場合はハウスの中に適正なサイズの寝床を用意してあげてください。

そうです、ようやくここで本来はハウスの中に置く必要のないクレート(キャリーケース)の出番となってきます。

ダンボール製の手作りベッド
ダンボール製の手作りベッド

もともと犬は穴倉で過ごす習性の動物なので出入口以外が覆われたクレートは寝床として機能的ですが、夏場は出入口以外が覆われていると暑くて入るのを嫌がることもあります。

そういった場合にはダンボール箱を利用した手作り製の寝床(ベッド)を用意してあげても良いでしょう。(すぐに噛んでボロボロに破壊されてしまいますが…)


「いやいや、ハウスがあるのだからベッドやクレートなんて必要ないだろ!」といったご意見の方もいらっしゃることでしょう。

確かにそうかもしれませんが、室内飼育が主流となった昨今ではまずケージ飼いからスタートするべきなので、最初のトイレトレーニングもハウス(ケージ)の中です。

そのハウスの中にベッドやクレートがあると自然と寝床とトイレスペースの区別がし易くなり、特に広過ぎるハウスを用意してしまった場合はベッドやクレートを置くことによってトイレトレーニングにプラスの効果をもたらしてくれます。

子犬の時から適正なサイズのケージ(天井のあるハウス)を用意してあげればクレートトレーニングを兼ねた飼育が出来ますが、最初から広過ぎるサークル(天井の無いハウス)に慣れさせてしまうとクレートに入るのを嫌がるようになってしまうこともあります。

クレートは近場へのドライブはもちろん、そのまま旅行に連れて行くこともできますので、広過ぎるハウスを用意してしまった場合はクレートトレーニングもお忘れなく…。

それでは、次のページでは屋外飼育時のハウスのあり方と注意点についてのお話しです。

>>> 【その5】 屋外飼育のハウス

安全で使い勝手の良いおすすめのケージって…? その答えが解ります