これまで当サイトにお寄せ頂いたご質問の中でも特に多いものを挙げてみました

  1. ハウスの中で長時間留守番をさせても大丈夫なの?
  2. ハウスのサイズはどのくらいの大きさを選べばイイの?
  3. ハウスの中には寝床用のクレートとトイレシーツを固定するトレーを置けばイイの?
  4. 今まで放し飼いにしていた成犬でもケージ飼い出来るの?
  5. トイレのしつけはどうしたらイイの?
  6. 屋外飼育でリードに繋いだ状態での飼育であればハウスは不要?

Q1. ハウスの中で長時間留守番をさせても大丈夫なの?

大丈夫です。

野生の犬(オオカミ)はもともと穴を掘って作った巣の中で休む習性の穴倉動物なので、ケージのように周りを囲まれた狭い場所で過ごすことを苦痛に感じることはありません。

むしろそういった場所に居ることによって外敵から身を守ることができるため本能的に狭い場所を好み、狭い場所に居ることによって安心感を得る習性の動物なのです。

これはペットとして飼育される家庭犬も同様で、ケージを自分のテリトリー(巣穴)であると認識していれば長時間の留守番も大丈夫。

ハウスを使った飼育、すなわちケージ飼いは犬の習性を上手く活かした飼い方であり、なおかつ犬に優しい飼い方でもあるのです。

私たち人間の感覚では理解し難いところがありますが、人間と犬とでは必ずしも感覚が同じではないということを理解してあげましょう。

詳しい解説はこちら
犬のケージゼミナール 【その1】ハウスが必要なワケ


Q2. ハウスのサイズはどのくらいの大きさを選べばイイの?

“本来のケージの使い方”という意味で言えば、成犬時のサイズでハウスの中で辛うじて身体の向きを自由に変えられるくらいの広さが適正サイズになります。

ただ、これは一定のタイミングで排泄の為にワンちゃんをハウスから出してあげることが可能な場合。

恐らく多くの飼い主さんは愛犬に長時間留守番をさせなければならない生活サイクルだと思いますので、当サイトではそのスペース(身体の向きを自由に変えられるくらいの広さ)に最低限の排泄場所を確保したサイズ感のハウスをお勧めしております。

「それでも狭いのでは…」、「広い方が快適そうだな…」と感じるのは人間的な感覚によるものであって、犬にはそういった感覚が通用しないだけではなく広い場所では安心して休むことが出来ない習性の動物なのです。

そのため、広いハウスでの飼育(放し飼いも含む)が常に神経を張り巡らさざるを得ない状態に陥らせ、結果的に落ち着きのない性格で無駄吠えの多いワンちゃんと化す要因となり得るのです。

ハウスを選ぶ際に最も優先すべきポイントは“狭い場所の方が落ち着く習性の動物が使うハウス”という点であり、その次に飼い主さんが今後ハウスをどのように使っていきたいのかを考えて選んでいくと良いでしょう。

詳しい解説はこちら
犬のケージゼミナール 【その3】ハウスの大きさ
犬のケージゼミナール 【その4】ハウス内のレイアウト


Q3. ハウスの中には寝床用のクレートとトイレシーツを固定するトレーを置けばイイの?

実際のところ正解はありませんが、当サイトが推奨する適正サイズのハウスを選んだ場合、寝床用のクレートは不要です。

そもそも適正なサイズのハウスで、なおかつ天井も覆われたケージタイプであればそれ(ケージ自体)がクレートの役割を果たします。

トイレシーツを固定するトレーは便利なのですが、ワンちゃんによっては(特に子犬は)トレーを寝床と認識してしまうケースもありますので、本来の寝床(ベッドなど)を確実に認識するまではトレーを使用しない方が無難です。

 詳しい解説はこちら
犬のケージゼミナール 【その4】ハウス内のレイアウト
犬のケージゼミナール 【その8】ハウスの中のトイレトレーニング


Q4. 今まで放し飼いにしていた成犬でもケージ飼い出来るの?

成犬でも大丈夫です。

本来、犬は狭い場所で過ごすこと(=ケージ飼い)に抵抗を感じないのですが、放し飼い状態が長かった成犬の中には頑としてケージを受け入れてくれないケースもあります。

ただ、これは人間が狭い場所を苦痛と感じるような『閉所恐怖症』のような感覚とは異なり、これまでの環境がガラリと変わったこと、すなわち『環境変化』に対する拒絶である場合がほとんど。

子犬のようにすぐには慣れてくれないかもしれませんが、時間を掛けて新しい飼育スタイルであるケージ飼いに慣れるよう見守ってあげてください。

また、近年は飼い主さんと離れると精神的に落ち着いていられない『分離不安症』の傾向が強いワンちゃんも増えています。

今まで飼い主さんに付きまとってばかりだった成犬のワンちゃんがある日突然ケージ飼いにされると飼い主さんと離れた状態になりますので、それに対しての抵抗がケージを嫌がっているように見えることもあります。

ケージのように狭くて覆われた空間は犬を落ち着かせる条件を兼ね備えた場所なので、ひとりでも落ち着いて過ごせるようになってもらうために早めにケージ飼いにシフトしていきましょう。

詳しい解説はこちら
犬のケージゼミナール 【その6】ハウスのしつけ
犬のケージゼミナール 【その8】ハウスで防げる分離不安症


Q5. トイレのしつけはどうしたらイイの?

将来的にお部屋の中で放し飼いにしたい場合でも、まずはハウスの中でのトイレトレーニングから始めましょう。

ケージ飼いでのトイレスペースは限られたスペースの中の1ヶ所になりますので、適正なサイズのハウスであればあるほど(広過ぎるハウスでなければ)比較的かんたんにトイレスペースを認識してくれます。

ハウスから出ているフリーな状態でのトイレトレーニングは生後2~3ヶ月齢の子犬にとってはレベルが高いので、飼い始めて間もない段階でそこまで求めてしまっては子犬が可哀想…。

「最初のうちはお部屋で粗相をされて当然」という気持ちで、焦らず段階を踏んでトレーニングしていくようにしましょう。

お部屋でフリーな状態でもハウスの中に用意したトイレスペースに戻って排泄してくれるような子であればお部屋の中でのトレーニングは不要です。

ただ、フリーな状態では恐らく本能的にハウスとは別の場所で排泄しようとする子(その子の性格的要素で違ってきます)がほとんどなので、ハウスの中とは別にお部屋の中でもトイレトレーニングをするのが現実的です。

詳しい解説はこちら
犬のケージゼミナール 【その7】ハウスの中のトイレトレーニング


Q6. 屋外でリードに繋いだ状態での飼育であればハウスは不要?

いいえ、屋外飼育でもハウスは必要です。

鎖などのリードに繋いだ状態での飼育はリードが絡まって身動きが取れなくなるといった危険が伴います。

また、安心して休めるスペースとなるハウスが無い状況で来客があった際にその来客を“外敵”と判断してしまい、興奮した状態でリードが絡まってしまうと取り返しのつかない事故に繋がるケースもあり得ます。

常時繋いだ状態で飼育するのは今すぐやめましょう。

詳しい解説はこちら
犬のケージゼミナール 【その5】屋外飼育のハウス